月別アーカイブ: 2015年7月

コラム「組織内コミュニケーションは”狙って”仕掛けよう」

最近「組織内コミュニケーション」や「チームビルディング」についての講師をすることがここのところ続きました。
その時には必ず「関係性の質が成果の質につながる」ということをお伝えしています。

1 組織内の関係性が良くて対話の質が高い
2 質が高い対話から思考が磨かれる
3 磨かれた思考からアイディアが生まれる
4 生まれたアイディアが行動に移される
5 行動から結果が生まれ、さらに信頼関係が高まる

というような。
この話をするまでもなく、”良い関係性の中で仕事がしたいよね”ということは、まぁそれはそうだよねぇ、という具合ですよね。
そして、もちろん自然と対話が生まれ仲良くなっていくということもあるでしょう。
ただし、経営の視点からすると、組織内コミュニケーションとは非常に重要なマネジメント項目だという認識が必要です。

組織内コミュニケーションを設計する時には、突き詰めると以下のような問いが発生します。

■達成したいビジョン・ゴールとは?
■そのための組織としてあるべき姿とは?
■現状の組織を診断した時に発生している課題とは?
■導入するべきコミュニケーション施策とは?

CRファクトリーを例にすると、以下のようになります。

■社会をあたたかいコミュニティであふれさせたい
■その組織自身もあたたかいコミュニティでありたい
■理念の共通認識と個人の相互理解の両方をさらに深める必要がある
■理念と個人を紐付けた対話型ワークショップを導入する

みなさんのビジョン・組織戦略から考えた時に、どんな組織内コミュニケーションが必要になるでしょうか。
理念共有、相互理解、成長支援、自律化、多様化、などなど。
そうした目的・意図を持って、”狙って”仕掛けていくことで、ようやく組織内コミュニケーションは成果につながるのだと思います。

(事業部長 五井渕 利明)

 

コラム「リーダーのモチベーション」

こんにちは、呉です。
あたりまえの話ですが、リーダーのエネルギー・熱量はコミュニティにとって大切ですよね。(「エネルギーが高すぎても困るんだよなぁ〜」と思ったそこのあなた!それもあながち間違いではないですよね・笑。みんなで運営する組織になるために、適切なエネルギー量やエネルギーの出し方はありそうです。)

今日ここで私が論じたいのは、「リーダーがモチベーションを失い、エネルギーを失うとき」についてです。団体の代表やリーダーとなると、自ずといろいろなことを背負います。ブランド・体裁も背負いますし、お金も背負いますし、お客様も背負いますし、様々なパートナー・関係者も背負いますし、スタッフ・組織も背負います。いろいろ背負うんです。そういうものです。

そしてそれがあまりにも多種に渡り、個々も重ければ総量も重いので、リーダーがエネルギーを失うということは容易に起こりうることだと思います。責任範囲の広さ、さまざまな気遣い、いろいろな人の意見・・・etc。そんな状況の中で押しつぶされそうになったり、自分の力で制御していこうという意欲を失ったり、どこか少しあきらめが入ったり、楽しくなくなってきたり。。。そうやってリーダーがエネルギーを失う状態は意外にいろいろなところで起こっているような気がします。
かくいう私も、いろいろな人の意見を聞き入れ、さまざまな気遣いのできるリーダーなので(笑)、このような状況にどっぷりはまりやすいタイプと言えます。では、どうしたら良いのでしょうか?

先日「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見ていて、瀬戸内の島で時計修理をしている松浦さんという時計職人が特集されていました。松浦さんの流儀は、迷ったら「しんどい道を進む」であり、そのエネルギーの源が「持ち主の思いを力にする」でした。
松浦さんは時計修理に入る前に、必ず依頼者から送られてきた手紙を丹念に読み込みます。そして、手紙だけでは分からないことがあれば、電話をして確認します。「私は時計そのものよりは持ってくる人の依頼者の気持ちを一番大事にするんですよ。そうすると、直すのも力が入る。それが応援してくれる。」
私にとってこれは大きなヒントでした。

私は何に心を燃やすのだろうか。何に情熱を感じるのだろうか。どんなに状況が複雑になろうとも、どんなに荷物が重くなろうとも、その状況・重さを超えるエネルギーの源を持てることが大切。原点に立ち戻って、すーっとした気持ちで果てしないエネルギーが湧いてくるような感覚が持てることが大切。それは一体何だろうか?
それは私にとってはかなり自明な問いでした。それは、一緒にCRファクトリーをつくってくれている「スタッフ」であり、そして、良い団体・組織・コミュニティをつくっていこうとがんばっている「リーダー・団体運営者」です。それらの人たちのことを考え、それらの人たちに触れていればいいんですね。簡単でした(笑)。

世間体を気にして、やらなければならないことが増えてくるのは自然なことです。事業や組織が大きくなり、状況が複雑になるのは成長している証拠です。リーダーはその渦中で悲劇のヒロインを気取っている場合ではありません。自分の魂が震える原点をいつまでも見失わずに、そんな渦中でもエネルギッシュでいることはできるはずです。
これから私はますます難しく、苦手で、やったことがないことを、役割や必要性からやっていくことになるでしょう。そんな中でもエネルギーの源を忘れず、楽しくやっていきたいです。^^

(代表 呉 哲煥)

 

コラム「”サンタのような大人たち”で社会があふれたら」

先日、出張セミナーという形で、NPO法人チャリティーサンタの年に1度の全体合宿をお手伝いしてきました。
全国22支部からなんと100人以上、”サンタクロースを通じて子どもたちに笑顔を届けたい”というメンバーが集結していました。
(チャリティーサンタの活動詳細はこちらから!→http://www.charity-santa.com/

普段の活動エリアはバラバラでも、掲げるビジョンと大切に思っていることは共通。会場は愛と熱気で満たされていました。
正直なところ100人を相手にしたセミナーというのは少し不安もあったのですが、打てば打つほど大きく響くメンバーばかりで、講師自身も楽しかったです。
チャリティーサンタの価値のひとつは、もちろん”子どもたちが笑顔になること”なのですが、今回改めて感じたもうひとつの大きな価値は、”サンタのような大人たちが増えること”でした。

12月24日に、我が子を思う親たちの依頼で、サンタに扮してプレゼントを運ぶ。
子どもたちの弾ける喜びと、親たちのやわらかい笑顔。
そして、誰かに幸せを届けられることの素敵さに感動する、サンタたち。
メリー・クリスマス!
この体験を経たサンタたちは、きっと12月24日が終わっても、”サンタのような大人”として、日常の中で誰かを笑顔にし続ける。

主体として関わる人自身と、その周辺にもポジティブな変化を起こす力があると、チャリティーサンタの全国のメンバーに直に触れて、改めて感じたのでした。

そしてこれはチャリティーサンタだけではなく、社会に価値を創出するNPOの多くに言えることなのかもしれません。
NPOの活動や事業を振り返ってみると、その直接の受益者だけではなく、関わり働く人の側にも良い影響を与えられたという瞬間は、おそらく数多くあるのではないでしょうか。

社会を変える、その人たち自身が変わっていく。
NPOのそうした側面も、大切な価値として考えたいですね。
(ここを数値・指標化できたらかなり面白い。やりたい)

(事業部長 五井渕利明)

 

コラム「生き心地の良い組織」

こんにちは、代表の呉です。
先日、「コミュニティキャピタル勉強会」というイベントで、岡檀さん著の『生き心地の良い町〜この自殺率の低さには理由がある〜』について取り上げました。

徳島県海部町(元海部町)という「地域」についてのお話ですが、地域のみならず「組織」(企業・NPO)にも応用できるヒントが満載でとてもおもしろかったです。

海部町は全国でも自殺率が8番目に低く、さらに言うと自殺率が低い上位10市区町村の残りの9つがすべて「島」であることを考えると(「島」という特殊な地勢を除外すれば)、日本で最も自殺率の低い町と言っても過言ではありません。
そんな海部町が保有している(と岡さんが分析した)5つの自殺予防因子は以下の5つです。

【5つの自殺予防因子】
1.いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい
2.人物本位主義をつらぬく
3.どうせ自分なんて、と考えない
4.「病」は市に出せ
5.ゆるやかにつながる

その中でも特に1と3と4は自分にとってとても示唆に富んでいましたね。

1は簡単に言うと「多様性」の話です。「いろんな人がいてもよい」という守りの多様性から「いろんな人がいたほうがよい」という攻めの多様性、多様性への積極性。しかも、それは「多様な人を受け入れよう」という道徳的スローガンではなく、自己利益にかなう生活の知恵なのだということがわかります。

3は「自己効力感」の話です。海部町の人たちは社会参加が盛んで、自分が「この町」や「この状況」を動かしているという感覚があります。自分たちの団体を省みるとき、うちのスタッフは「この団体を動かしているのは自分だ」「自分は欠かせない存在だ」という自己効力感を感じられているだろうか。ここはCRファクトリーの弱いところだと自覚しているので、重要な問いとしてこれからも向き合っていきたいです。

4は「悩みやストレスは出せ(相談しろ)」という話です。「援助希求」といい、家族のトラブルや事業の不振、その他生きていく上でのあらゆる問題を内側に抱えこみすぎず、相談したりさらけ出そうということ。これが海部町はとても上手らしく、何かあったら外に出すし(相談するし)、何かあった人に対して外に出させる(相談させる)。
この「助けを求める」という援助希求を「個人がした方がよいよ」、という話にとどまらず、コミュニティ側がいかにそれを促すかがポイントであることにも触れられています。
個人が「援助希求」をすることが難しいことをむしろ前提としながら、
「弱音を吐かせるリスク管理術」
「海部町コミュニティでは「態度」によって、弱音を吐いても大丈夫だよ、というメッセージを発信し続けてきた」
「海部町は、「助けを求めよ」と言葉によって人を諭すよりも、人が「助けを求めやすい」環境をつくることに腐心してきた」
と書かれている。
うちの組織でできてるかなぁ〜。ぐさっときました。

この本には「地域」や「組織」を考える上でのヒントがたくさんありました。
これらの因子を参考に、現場での応用・運用を試みてみたいと思います。

(代表 呉哲煥)

コラム「リーダーは”目の前の”スタッフと”隣の”パートナー、どちらも大切に」

先日、CRファクトリーの3人の経営陣(代表、事務局長、事業部長)で、
相互理解ワークショップを行いました。

いつも何にリソースを割いているか、どこにモチベーションがあるか、
どんなキャリアプランを持っているか、
今後どんな働き方、コミュニティ、家庭でありたいか、などなど。
いつも(もしかすると家族よりも)一緒に多くの時間を過ごし、
信頼関係で結ばれている鋼鉄の3人、と思ってはいるものの、
こうした深い対話をゆっくりとするのは久しぶりのことです。
夫婦で”どんな家庭を築きたいか”を語り合うような感覚でした。
(いつもはつい事業や他のスタッフの話ばかりしてしまいます。あとはジョーク)

チームが”円陣”を組んでいるイメージだとすると、
”目の前”や目に入る範囲のスタッフのことを気にかけることが自然と多くなりますが、
”隣”で肩を組んでいるパートナーが良くも悪くも空気のような存在になってしまうことも。
最も中核にいるメンバーこそが最も強い信頼関係で結ばれていて、
それがチームに熱く伝播していくような状態を保っていたいものです。

参考までに、相互理解ワークショップでは具体的にこんなことをしました。
■それぞれがCRファクトリーに投入しているリソースのボリュームを事業別に可視化し、
さらに各事業ごとのモチベーションの大小を可視化するマインドマップ
■「スキル」「お金」「働き方のスタイル」
「家族」「コミュニティ」「所属組織におけるポジション」
という6つの観点で3年後にどうありたいかというイメージの共有

それぞれの強みや関心が良い意味で分散していることがわかったり、
仕事を超えてそれぞれが「どう生きたいか」を握り合って尊重し合えたり、
といったことが大きな収穫だったように思います。

みなさんは、自分のパートナーとの信頼関係を確認・強化する機会を持っていますか?
強いインパクトを出すための強いチームであるためにも、
「この仲間たちとならどこまでも行ける」という思いを熱くするためにも、
時にはそんな時間の使い方も、おすすめです。

(事業部長 五井渕利明)

コラム「コミュニティは『参加のデザイン』」

こんにちは、代表の呉です。
コミュニティマネジメントの中心的なテーマのひとつが「どうやって人を巻き込むのか」です。「新たな仲間の巻き込み」はもちろんのこと、その新しい人がどうやって「定着」し、どうやって「主体」になっていくのかデザインとマネジメントこそ、腕の見せどころなのです。

観点・ポイントは大きく3つになります。

その1:新しい人と出逢う(関心・興味を持ってもらう)
コミュニティに新しい人が入ってくれば、コミュニティは活気づきます。人数・程度はあるものの、常に新しいメンバーを入れよう(新しい人たちとの接点を持 とう)とする姿勢は持ちたいですね。新しい人が入ってこないことによることによるコミュニティ・組織の硬直化は良く聞く課題です。逆に新しい人たちとの接 点を適度に持てているところは、単純に場の盛り上がりがあって活気がありますし、その新しい人たちの中から「主体・担い手」が生まれてくることがあるの で、組織が強くなる可能性が高まります。具体的には「イベント・勉強会・ワークショップ」や「説明会」などによって、新規の接点を定常的に(地道に)つ くっていきましょう。

その2:定着してもらう(気に入ってもらう・愛着を感じてもらう)
初めて参加した人に「ここ楽しいなぁ」「居心地いいなぁ」「また来たいなぁ」と思ってもらうことは重要ですね。そういうファンやリピーターの存在はコミュ ニティの雰囲気をとても良くし、安定させます。新規性(新しい人ばかり)と流動性(人の入れ替わりが激しすぎる)が高いと雰囲気が安定しません。そのコ ミュニティに愛着を感じてくれている人の量(人数)とその質は「コミュニティの質」を決める言っても過言ではありません。「愛着」を感じてくれる人を増や しましょう。具体的には、「場のファシリテーション(心地よい場づくり)」や「イベントの事前・事後のコミュニケーション」「個別のコミュニケーション・ お誘い」などがポイントとなるでしょう。

その3:運営に参加してもらう(主体を担ってもらう・一緒に運営する仲間になる)
新しい人たちが増え、愛着を感じてくれる人が増えたら、いよいよその中から「運営に参加してもらえる人」を募るフェーズ(段階)です。コミュニティの「品 質」も「生死」をも分けるのは「運営スタッフ/運営チーム」です。ここの人数と熱量がコミュニティの品質と生死を分けるわけですから、最も重要な項目・人 たちであり、一旦の「ゴール」と言っても良いでしょう。愛着を感じてくれている人たちの中から、少しずつ「お誘い」をして、「運営を手伝ってもらう(担っ てもらう)」のがポイントです。人は「役割」と「出番」があることで、コミットメント(関わり・やる気)が上がっていくもの。うまくその人の状況に応じて コーディネートしながら「運営に参加」してもらいましょう。具体的には「食事」や「飲み」に誘って「口説く(!)」ですね(笑)。

コミュニティは「参加のデザイン」です。
それぞれのフェーズ(段階)ごとに適切な打ち手を講じて、人それぞれの「参加」を促しましょう。
「参加のデザイン」を意識すれば、もっともっと適切な打ち手を打てて、もっともっと人を巻き込んでいくことができるでしょう。それがひいては強くあたたかいコミュニティをつくることにつながります。

(代表 呉哲煥)

コラム「マネジメントは”優れた人”だけのものではない」

CRファクトリーではここ数年、チームのマネジメントを「ダブルマネージャー体制」で行っています。マネジメントの機能を”成果・目標にこだわり達成するディレクター”と”メンバーのモチベーションとチームの進捗をケアするマネージャー”に役割分担しています。

各チームのディレクターは経営陣が担っていますが、マネージャーは経験を積んだ学生インターンスタッフに担ってもらっています。体制の引き継ぎ時期に新マネージャーからよく聞かれるのが、「私で務まるでしょうか?」という不安と謙虚からの質問です。
その時に常に伝えているのが、「マネジメントは優れた人・能力のある人だけのものではない」ということです。

”マネジメント”をドラッカー先生風に”仕事を通じて人に成果を上げさせること”だとすれば、そこにはもちろん目標達成のために方向性や水準を示すことも必要ですが、メンバーが安心して力を発揮できるための環境づくりも同じぐらい重要な役割となります。

CRファクトリーのマネージャーが担うのはまさにこの環境づくりで、具体的にはメンバーのメンタル面のケア、チーム全体の進捗管理や調整、ディレクターや他チームとの密な情報共有などです。
もう少しミクロに言えば、新しく加入したばかりのスタッフが不安を感じないよう声をかけたり、チームに一体感が出るようなムードづくりを心がけたり、といったことです。こうした丁寧な立ち回りが、スタッフひとりひとりに”自分はここで恐れずに意見と力を発揮していいんだ”という”心理的安全”をもたらし、チームの推進力を高めることになります。

ここにはマメさが必要にはなるものの、スキルフルな人材というよりは、チームや仲間に対する愛がある人材が適任と言えるでしょう。さらに言えば、こうした環境づくりはマネージャーだけの仕事ではなく、スタッフ全員が相互に気を配り合う状態が理想です。

マネジメントは”優れた人”だけのものではなく、さらに言えばマネージャーという立場の人だけのものでもありません。
マネジメント、特に環境づくりにはチーム全員がコミットするという状態が理想的と言えるでしょう。

なお、6月12日(金)には「マネージャーについて深く考える勉強会」を開催します。こうしたテーマに関心がある、深く対話してみたい、という方のご参加をお待ちしております


(事業部長 五井渕 利明)

コラム「コミュニティは愛と事務力」

こんにちは、代表の呉です。
コミュニティ運営や場づくりを長年やってきてつくづく思うのは、「事務力」の重要性です。言い換えれば「マメさ」です。

コミュニティを運営したり、場をつくるということは、分解するとそれはそれはさまざまな多くのタスクの集積であると言えます。「会場を予約する」「告知文章を考え作文し発信する」「ウェブページを更新する」「個別にイベントにお誘いする(メールする)」「イベント終了後に会計をまとめる」などなどなど。どんなに想いやビジョンがあっても、事務力がなければ団体・会を成り立たせることは難しいですし、人を集める(集め続ける)ことは難しくなります。マメなタスク遂行とマメなコミュニケーションこそコミュニティ運営や場づくりには決定的に大事であるというのが持論です。

私は本来的にマメなタイプではないので、凝れるときはとことん凝れるですが、マメさにムラがあります。マメにやれたときは、準備が緻密になり、スタッフや参加者との事前のコミュニケーション量も増えて良い場づくりができます。マメさを欠くときは、ものごとや人が動かずに惨憺たる結果になることもしばしばです。
良いコミュニティ・良い場にしたいならば事務力の重要性を認識してマメになること。自分にその能力が低いならば他の人の力を借りてでも、団体としてタスクマメ、連絡マメであることが重要だと思います。

そして、もう一つ重要な要素が「愛」です。
団体を愛する力と仲間・メンバーを愛する力ですね。「大切にする」と置き換えても良いと思います。特にリーダーが団体を愛おしく大切に思っていること。それはメンバーにも伝わり、団体を大切にしてくれる人が増えて伝播します。また同じように仲間・メンバーを大切に思っていること、大切にすること。それもまた伝播して、メンバーを大切にしてくれるメンバーが増えていきます。その「愛」の質と量が、団体の雰囲気をつくり、「団体を大切に思ってくれる人」や「メンバーを大切にしてくれる人」を増やしていくのだと思います。

「愛」はペイフォワードで次の人に渡されます。だから、リーダーが自分に近い内側の円の仲間にどれだけ愛を与えられるかは勝負でしょう。その人数は4人とか6人とかぐらいで良いと思います。
そして、「愛」とは「どんなことがあったとしても愛する」ということなので、「困難だから団体への愛が減る」「自分と意見が合わないから愛が減る」というものではありません。ここがなかなか難しいところであり、真価が問われるところですね。その姿勢・覚悟は究極のリーダーシップであり、愛あふれるところには人が集まり、団体自体もその仲間たちに支えられて良くなっていきます。

「愛」と「事務力」。なかなか種類の違う要素ですが、良いコミュニティをつくっていくために、とても重要な両輪です。一度内省して点検してみてください。

(代表 呉哲煥)

 

コラム「スタッフの”5つの褒め方”」

先日「スタッフの”叱り方”」というコラムを書きましたが、今回は続編として”褒め方”について考えてみます。
そもそも、褒めるという行動の目的はなんでしょうか。一言で表せば”相手のモチベーションを高めること”なのですが、その内容に本人の自覚があるかどうかで伝え方も変わってきますね。

本人が意識してやっている行動や、自覚している長所などを褒めることには、”承認”や”背中を押す”という意味合いが強いと思います。一方、本人が無自覚な成果や成長を褒めることには”自己理解の支援”や”新たな視点の付与”といった意味合いがあります。
元々の自己評価が低く自信があまりない人の場合、後者がとても重要になります。ネガティブだった自己理解を適切な捉え方にできるように、物事の評価や周囲への影響を多角的に見ることができるように、他者からの”褒める”という行為が必要な場合があります。
その外的刺激の積み重ねで徐々に言動がポジティブになったり、表情に自信が見えるようになったりといった変化を目の前で見られるのは、メンターとしての喜びでもありますね。
さて、実際の”褒め方”を考えて棚卸ししてみると、以下のような5つに分けられるでしょうか。

(1)スキル・能力を認める
(2)成長・変化を伝える
(3)出した成果を可視化する
(4)他者への影響を共有する
(5)好意・愛情を示す

(1)スキル・能力を認める
ここには自覚的である場合が多く、褒める側としても伝え方が容易だと思います。ドキュメントやデザインといったアウトプットが明確なスキルはもちろん、他者への気遣いや思考の角度や深さといった姿勢・メンタリティにも言及できるとよりエンパワーできるでしょう。

(2)成長・変化を伝える
自分自身の成長・変化はなかなか気づきにくいものです。だからこそ、定期的に振り返りの機会を設ける、客観的に自己評価するトレーニングをする、そして他者からのフィードバックを受ける場があることが重要です。特にのめり込んでコミットしている時は短期間でも急激に変化していることがあります。
”前に進んでいる”という感覚を適切に得られることは今後の方向性の確認にもつながり、成長をさらに促進する効果もあります。

(3)出した成果を可視化する
本質的な成果(アウトカム)をチーム・経営の両方の視点で可視化することで、働きが何につながっているかが明確になり、自己効用感(役に立っているという感覚)が高まります。
自己効用感がある=やりがいを感じられる環境を提供できているかどうかはマネジメント側にとって非常に重大なテーマであり、個人のモチベーションに大きく作用します。

(4)他者への影響を共有する
成果や数字が上がることにはあまり比重を置くことができず、むしろ”誰かが喜んでくれたこと”にこそやりがいを感じるというスタッフも意外に少なくありません。その場合、たとえばチーム内の後輩の成長・変化や、イベント参加者のポジティブな声などを共有することが効果的です。特にメンターからではなく(身内のバイアスがかからない)外部の第三者からの評価が届くことは、説得力を持って自己肯定感を高めてくれます。

(5)好意・愛情を示す
能力・過程・成果という部分すべてを包括した、存在そのものの承認として、人として好意・愛情を示すということも”褒め方”のひとつだと考えています。文脈やタイミングにはもちろん適切さが必要ですが、仲間を認めるということの延長線上に、家族のように受け入れるという関係性があると実感しています。

褒めることも叱ることも、チームの中で相互に影響し合いエンパワーするための行動であることには変わりありません。
そしてチームが本当に良い状態にありエンゲージメントが高い時には、そうした働きかけがメンターから一方的に発動するのではなく、メンバー間で相互に作用しています。
自発的かつ対等に、認め合い高め合えるチームこそ、マネジメントにおいて目指すべき姿であると意識しながら、日々のコミュニケーションを丁寧に積み上げていきたいものです。

(事業部長 五井渕 利明)

コラム「コミュニティは教育プログラムである」

こんにちは、代表の呉です。
昔からずっと思っているのが、「コミュニティは教育プログラムである」ということです。コミュニティほど人を成長させるものはなかなかないと思います。
活動があり、目標があり、人間関係や相互作用のコミュニケーションがある。その中で人はたくさんの経験を積んで、人間関係やコミュニケーションのスキルを磨き、成長していきます。私はこの「コミュニティが人を育てる力(≒人を良くしていく力)にとても魅了されています。

逆に言うと、「先生」が「生徒」に教えるという構図だけではなかなか人は成長しません。ましてや「知識付与」「知識獲得」だけでは人は成長しませんね。
活動を通しての仲間同士の相互研鑽があってこそ、人は大きく成長するように思います。コミュニティにはそういう「関わり合い」が起こるので、自ずと成長してしまうのかもしれませんね。

成長する装置としてのコミュニティにしていくために、意識していることをまとめてみました。

1. 受け入れること、認めてあげること、居場所であること、の安心感
ベースとして大切なことは、本人がこのコミュニティに受け入れられているという安心感、そして認めてくれる仲間がいることの安心感でしょうか。
愛のある家族というベースがあってこそチャレンジできる子どものように、愛着と関係性の豊かなベースキャンプがあってこそ、チャレンジと成長はしやすいと思います。

2. 挑戦に対して関心持って応援・支援する仲間がいること
のめり込み体験(フロー体験)は人を大きく成長させます。自分のキャパシティを少し超えた大変できつい体験は、その人を一段上のレベルに成長させてくれます。本人の意志と団体の状況を鑑みながら、ぜひ追い込むべきです。例えば、プロジェクトリーダーをやってもらったり、幹事をやってもらったり。
そのとき、そののめり込み者(挑戦者)に関心を持って応援・支援してくれる仲間がいることが重要です。カーネギーの『人を動かす』にもあるように、「誠実な関心を示す」ことほど人をエンパワー(元気づけ)するものはありません。

3. 振り返りや報告の機会(儀式)をつくる
「成長実感」や「達成感」というものは、ただがんばっただけでは感じにくいものです。振り返りや仲間への報告の機会によって、「私、がんばったんだな」「成長したんだな」と確認・認識できるものです。そういう「成長実感」や「達成感」を感じる儀式の演出を、団体の仕組みとして持ちたいものですね。

団体のリーダーは、「コミュニティが教育プログラムである」という認識を持って、仕掛けや制度設計をしていって欲しいですし、それを自信に多くの人を巻き込んでいって欲しいと思います。
また「成長したい」「もう一段上の自分に行きたい」と思っている人は、コミュニティで活動することをお勧めします。「いろいろな人との出逢い」や「一緒に活動する経験」があなたを大きく成長させてくれるでしょう。

(代表 呉 哲煥)