月別アーカイブ: 2015年6月

コラム「人と組織のマネジメントとは「コミュニケーションの設計」である」

こんにちは、代表の呉です。
最近、NPOの代表や事務局長から「人と組織のマネジメント」についての相談を受けることが多いです。
団体が立ち上がって、ある程度メンバーも増えてくると、「人」や「組織」の問題が次の経営課題になってきます。

「人と組織のマネジメント」において重要となる3大項目は、
1. 採用
2. 理念共有
3. 相互理解
の3つだと思います。

1の採用は「人を巻き込む」ということであり、それは「量=たくさんの人」と「質=温度の揃った人材の採用」という面があります。
2の理念共有は「ビジョンの共有」や「価値観(クレド)の共有」ということになります。そこがしっかりと共有できることは、「事業(活動)成果」にもプラスな影響がありますし、メンバーの「やりがい」「愛着」にもプラスな影響があります。
3の相互理解は「コミュニケーション」であり、「スタッフ間の関係性」を創り出すことになります。ダニエルキムの「組織の成功循環モデル」を出すまでもなく、「関係性(関係の質)」は団体にとってとても重要な要素です。

「人と組織のマネジメント」についての具体的な打ち手のアドバイスをするとき、私は特に「ミーティング」と「年間計画」の重要性を説きます。

ミーティングは、メンバーが集まりコミュニケーションを取りながら、意識・目線を合わせて、関係性を築くための基本装置です。
これがぐだぐだでは、メンバーの意識・目線は揃わないですし、関係性もうまく築けないままに、夢・ビジョン・想いだけが空回りします。

年間計画は、研修・総会・レジャーなどの社内行事の設計のことを意味し、メンバー同士がコミュニケーションを取って関係性を築くためのエスカレーター(人力で働きかけなくても自動的に動く装置)だと表現しています。

CRファクトリーの場合は、
■コアスタッフの集合研修(スタッフギャザリング)が年間11回(合宿含む)
■全社イベント(総会やレジャー)が年間7回
あります。
少し多いように感じるかもしれませんが、普段メンバーはノマドワーキング(働く場所を自由に選択するワークスタイル)なので、定期的にピットインして、気持ちや関係性をメンテナンスしています。(そしてまたサーキットを疾走していきます)

ただでさえ、人と組織のマネジメントは「相手と状況に応じた人海戦術」になり、「泥臭く人が人に対応する」というものになります。

だからこそ、「コミュニケーション」が生まれ、「関係性」が強化される仕組みを少しでも多く設計し、エスカレーターを走らせておくことがコツです。

感度の高いリーダーやマネージャーが状況対応をするだけでなく、「メンバーたちが対話する場」が定期的に生まれるようなコミュニケーションの設計(≒年間計画)をしっかりしていきましょう。

もう年末です。2015年(2015年度)の社内行事予定をそろそろ設計してみませんか。

(代表 呉哲煥)

 

コラム「”マネージャーシップ”を発揮する人財に感謝を」

書店にいると、実に数多くのリーダーシップに関する書籍が目に入ります。
それだけ多くの人が”リーダーであること”に思い悩むということや、多種多様なリーダーの在り方があるということを表しているような気がします。
一方、リーダーシップと”マネージャーシップ”を混同したり、両方を1人で満たす万能を求めたりすることには、時々苦悩が伴うように思います。
リーダーシップと比べるとスポットライトが当たりにくいように感じる、このマネージャーシップが本日のコラムのテーマです。

CRファクトリーでは、チームごとに”ディレクター”と”マネージャー”を分けています(適任者不足だと兼任になってしまいがちなのですが、今期は人財に恵まれています)。
一口に言えば、ディレクターのミッションはゴールを達成するためにチームを牽引すること、マネージャーのミッションはメンバーのケアをすることです。
マネジメントの機能をドラッカー先生風に言えば、「メンバーの力を引き出して成果を上げさせること」ですが、優れたマネージャーシップとは「メンバーが力を発揮できる場(心理的安全)を用意すること」だと思います。
幸いにもCRファクトリーには優れたマネージャーシップを発揮してくれている人財(学生インターン含む)が何人もいて、経営陣・ディレクターとしてはとてもとても助かっています。
具体的に彼らが担ってくれていることをいくつか挙げると、以下のようなことです。

◆チームメンバー個別の精神的ケア(声掛け、相談に乗る、新スタッフのチェックインなど)
◆あたたかいムードづくり(素早いレスポンス、チームを盛り上げる気遣いなど)
◆ToDoの進捗管理やスケジュール調整
◆経営陣やディレクターとチームとの認識すり合わせ

こうした働きのおかげで、メンバーは”自分は受け入れられ注目されている”、”意見や提案をしても否定されることはない”、”自分は自分のまま力を発揮すれば良いんだ”、というような”心理的安全”を手にして、伸び伸びと主体的に動いてくれることになります(いつもありがとう!)。
さらにディレクターとしては、チームの推進力を高めてゴールを達成することに集中できます(いつもありがとう!)。
適任者の素養としては”コミュニケーションのマメさ”や”内発的な他者への関心”などが必要で、誰でもできることではないと思います。
その重要性を認識して強みを活かすことは、組織にとって大きな力になるのではないでしょうか。
(事業局長 五井渕 利明)

 

コラム「一対一を積み上げることが強い組織をつくる」

こんにちは、代表の呉です。

最近、団体内で流行っている(?)人事制度があります。
それは「壁打ち」というものです。
「壁打ち」とは、月に一回スタッフ同士が一対一で、相互に業務相談をし合うような相互メンタリングの仕組みです。
「壁打ち」のネーミングは、テニスのイメージから来ています。テニスプレイヤーが壁に向かってボールを打つ、そんなイメージです。
スタッフの一方が「選手」になり、もう一方が「壁」になり、選手の練習(企画立案・思考の整理)に付き合います。

「選手」はアジェンダ(議題)を立て、それについて「壁」に付き合ってもらいながら、話をしていきます。アジェンダは、「◯◯イベントの企画について」とか「◯◯チームのマネジメントについて」とか「忘年会の企画について」などなど、そのスタッフが担当しているプロジェクトや業務がアジェンダになり、それについて約1時間、「壁」に向かって話をしていきます。「壁」は議事録をとってあげたりします。
これはマネージャーがスタッフを面談してあげるというようなものとは違い、スタッフ同士が相互にローテーションで行ないます。

CRファクトリーの場合でいうと、約15名のコアスタッフが、それぞれ総当りで組合せを決めます。Aさんが選手をやるときはBさんが壁、Bさんが選手をやるときはCさんが壁、Cさんが・・・、というように全員が「選手」と「壁」の両方を担当します。それを月に1回の頻度で行ないます。
よって、各スタッフは月に2回(各1時間ずつ=合計2時間)を壁打ちの時間に充て、1回は「選手」、1回は「壁」をやることになります。

「壁打ち」には良いことがたくさんあって、
① スタッフが一人で抱えているプロジェクトや業務について相談できるので、企画立案のスピードや精度が上がる
② 思考が整理されることによって、モチベーションがぐっと上がる
③ スタッフ間の関係性が強化され、組織が強くなる
などです。

その中でも、「組織の視点」に立ったとき、とても効果を感じているのが③です。
一言で言うと「一対一を積み重ねることが組織を強くする」という実感です。
集団というのは一つの生き物で、良くも悪くも集団の力学がはたらき、良い方向にもぐーっと上向くこともあれば、悪い方向に下向くこともあります。一対多で対応してしまっているがゆえに、集団をうまく操縦できずに、自分だけ浮いてしまって苦しむといった経験をされた方もいらっしゃると思います。

一対一で面談したり、お茶したりするのは、スタッフ同士も多少緊張したりするものですが、やってみると明らかに個々のつながりは深くなり、お互いの状況も共有・理解できて、その積み重ねが「組織」を強くしていると実感しています。

代表・リーダー・マネージャーがスタッフを一対多でメンタリング/ケアしてあげるのとは違い、スタッフ同士が相互メンタリング/ケアし合えるところも大きなポイントですね。
「一対一を積み重ねることが組織を強くする」。
ぜひみなさんの団体でも、一対一を積み重ねるような仕組みをつくって、組織を強くしてみてはいかがでしょうか。

(代表 呉哲煥)

コラム「新たな”コミュ活”を始めることは、新たな”私”に出会うこと」

――人ってそんなに単純な生き物ではない。
“コミュ活”(職場でも家庭でもないサードプレイス、コミュニティで活動すること)について考える時、そんなことをいつも思います。

日常ではふと気づくと、会社や学校といったモノカルチャーに没入してしまうことも珍しくありませんが、そこだけで充足・簡潔できるほど、人の考え方や感じ方は一枚岩ではないと思うのです。
人間、だいたい二十年以上も生きていろいろな経験もすれば、多様な側面を自分の中に持ちますし、常にその全てを表に出して暮らしていることの方が少ないという気がします。
家族、友人、同僚や上司、クライアント・・・相手によって、見せる顔は少しずつ違います。

多かれ少なかれ、人は多面的な生き物。
“コミュ活”には、多面性を表現できる、普段は出せない自分を出せる、気づいていなかった自分の側面を発見する、そんな効果があります。
私も前職時代はいくつも掛け持ちして、テーマも地域も仲間も様々に日々”コミュ活”していました。
特に、新しいワクワクするようなことに出会う時、”自分はこんなことをオモシロイと思える感性も持っていたのか!”と、とても新鮮な、嬉しい驚きがありました。
その出会いを逃さずに、自分からどんどん飛び込んでいって手足と頭を動かしていると、自分自身が拡張されていくような成長の喜びを感じることができます(もちろん、今でも)。

単一の価値観に押し込められない、自分自身がしっくりくる多面性を表現できている状態は、日々をとても充実したものにさせてくれます。
そして、”コミュ活”ならではの多様な関わり方、多様な人との出会いによる経験がさらに、”私”の新たな自分らしさに気づかせてくれるのでしょう。

(事業局長 五井渕 利明)

コラム「人間にはセレモニー(儀式)が必要だ」

こんにちは、代表の呉です。
最近、セレモニー(儀式)の重要性を感じています。

連続性のある日常の中で、少し立ち止まって
「今までしてきたこと」や「現在の自分」
を改めて確認することは人間にとってとても大事なことです。

それをすることによって、
「今までしてきた苦労や行為がいったいなんだったのか」や
「いま自分はこれだけの人たちに恵まれていて、こんなに幸せなんだ」と
いうことを確認できたり、肯定できたりするわけです。
「結婚式」もそうですし、「卒業式」もそうですし、「地域のお祭」も
そんな「確認」の機能があるのだと思います。

連続性のある日常の中で、「自分がやっていることの意味」を確認することはとても難しい。
連続性のある日常の中で、「自分のまわりにいる人・仲間・絆」を確認することはとても難しい。
連続性のある日常の中で、「自分の成長や達成したこと」を確認することはとても難しい。

人は儀式(セレモニー)を通して、それらを「確認」することができるのです。

そうなると「イベント」はとても重要です。
社外的には、各種イベント・シンポジウムなどもその機能を果たしますし、
「周年イベント」はまさにこの機能(意味の確認/絆の確認/成果の確認)を果たします。

社内的には、各種研修・ワークショップ、成果報告会、総会などですね。
日常業務の連続性の中では、「達成感」や「成長実感」を感じることは難しいですからね。
また「一緒にがんばっている仲間を感じる」ことも重要ですからね。
そういうことを意図的に計画的に組み込んでいきたい。そのためには「年間計画」が重要です。

CRファクトリーでは、社内イベントの年間計画を立てるのにだいぶ力を入れていて、
■全社イベント:年7回(総会や旅行・レジャーや新年会的なもの)
■コアスタッフイベント:年9回(研修会・ワークショップ的なもの)
を年初に設計して、意図的に「確認」の機会を組み込んでいます。

2014年も終わりが見えてきたタイミング。
そろそろ来年の年間計画を考え始めてみませんか。
「目的・意味」「達成感・成長実感」「仲間・絆」を確認できるような社内外のイベントを設計して、一人ひとりの「コミットメント」と「愛着」の高い強くあたたかい組織をつくりましょう。

(呉 哲煥)

コラム「社会に井戸を掘る人たち」

地面に向かって穴を掘っている人がいます。

あまりにも一心に掘り続けるものだがら、通りがかった人が聞きました。
「ここに何があるの?」
――この下には豊かな水脈があって、井戸をつくるために掘っているんです。
何人もが通り過ぎ、その度にこの答えを聞いて、
「そんなところに水脈はないよ」
「何もそんなにがんばらなくてもいいんじゃないの」
「それってお金になるの?」
と言いながら去っていきました。

それでもその人は掘り続けました。また通りがかった人が聞きました。
「どうしてそこまでして井戸を掘るの?」
――ここに井戸ができれば、本当にたくさんの人が助かるはずなんです。
どうしても力になりたい人たちがいるんです。
そういうことなら一緒にやってみようか、水はともかくあなたを信じるよ、
と徐々に仲間が集まってきました。

そしてようやく少しずつながら水が湧き、
潤い喜ぶ人たちの笑顔に、井戸を掘る人たち自身も癒されていきました。
次第にまた新たな仲間が集まってきて、
「この水をもっと広くいろんな人に届けよう」
「水の成分を研究してみよう」
と次々に新しい可能性が開かれていくことにもなりました。

NPOやソーシャルビジネス、社会を変えようとするリーダーたちは、
この「最初に穴を掘り始めた人」なのだと感じています。
そして井戸をつくるためには、何と言われようと掘っている本人だけは
「ここに水脈がある」と信じて続けてることが不可欠なのでしょう。
その背中に強く惹きつけられ、ともに掘ることを選ぶ人もいて、私自身もそのひとりです。
先日開催した「CRファクトリー感謝祭」では、
多くの「井戸を掘る人たち」に集まっていただきました。

たくさんの人が潤うことのできる、多様な井戸が社会にあふれるために。
CRファクトリーはこれからも、
「熱い/あたたかいチームとともに井戸を深く掘るための方法」を追求する
という井戸を掘り続けていきたいと思っています。
(事業局長 五井渕 利明)